隙きあらば自語り
今でこそ、それなりにお堅い仕事に就いてはいるが、昔は酷かった。社会人なのに貯金ゼロとか本当にあった。
毎日虫まみれになって泣きながら働いた事もあった。
故郷に錦を飾るなんて故事成語があるが、それどころか故郷に引き篭もって、こどおじになる寸前だった。
出身が田舎だから話半分程度でも誰々が今どこに住んでいるとか、誰々が今どんな仕事をしているとか帰れば耳に入ってくる。
一番酷い時に知り合った知人は外国人実習生並の待遇で働いていた。
何度も社会の最底辺まで落ちたこの身が今はどうだ、当時の自分から見たら信じられないと言うだろう。
先に挙げた知人は言った、日本と言う国に生まれて這い上がれないのは本人の努力不足だと。
努力だけでどうにもならない時勢は確かにある、自分がそうだった。
あの時に自分を笑っていた人達はこの社会情勢でどうだ。
人生万事塞翁が馬と言うし、仏教用語で言う所の無常と言う言葉の通り、今のこの状態がずっと続くとは思わないし、今の当たり前がその後も当たり前と思うのは都合が良いだろう。
だが、どん底でもがき続けた結果、自分の今はある。
そういう事だ。
カテゴリ : 日記