死神と呼ばれた男17
現場の人間が言うのもどうかと思うが、医者に殺される事は本当に、ある。それは能力不足だったり勘違いだったりするのだけど、9割の患者は知る事もなく仕方ないよね、で済まされたりする。
しかしそれを言おう物なら自分が食えなくなってしまう、悲しいけどこれ現実なのよね。
ちなみにここ数ヶ月、そんな殺されかけてる人が手遅れ寸前になって次々と担当になってたりする。
今回はそんなお話。
緩和ケア希望の末期癌患者がやって来た。
信じられない事だが7日の間、点滴を受けていただけで麻薬、内服の調整は一切無し。
泊まり勤務の時にカルテを見返していて、あまりの杜撰さに驚いた。
聞けばもう飲食すらままならなくなっているらしい、それを見て何も働きかけなかったスタッフ一同は医療に関わる資格はない。
残り間もないならどうしてそこで少しでも苦痛を取り除かなければという意識が湧かないのか。
自分が担当ではないから、どうでもいいと言うのか。
そうやって手遅れになりそうな人間を次々と担当している者の気持ちがわからない・・・のだろう。
聖書とあがめ奉る湾岸ミッドナイトに
人は見る聞くする
でもこの言葉には続きがあって 見ようとしない聞こうとしないやろうとしない
わかろうとしない人に一々説明を費やす程人生は長くない
こんな言葉がある。
わからないヤツにわからせるつもりは毛頭無いし、そんな時間も実際ない。
そこまで自分の時間を費やしてまで今の仕事場の意識改革をしてやるつもりは一切無い。
既に手遅れだが、ギリギリの時点で介入する事で最悪の最期を迎える事だけは回避出来そうだ。
クリスマス?仕事だ仕事、バーロー。
カテゴリ : 日記