今回は大分濃いネタで行きます、ここは俺の日記帳だ、チラシの裏だ!
検索ワードでチラホラとパワーコマンダー燃調でやって来る人がおりますが、今回は経験に基づくGSX-R1000シリーズ、特にK7以降の燃料補正の方向性を生意気に語ってみようと思います。
K7以降と言いつつも、まずはK5の資料から引用します。
また‘05モデルでは、排ガス規制のためガスが全体的に薄く、さらにマフラー交換する際に排気デバイスを外すので、特に5000~6000rpmは濃い目にセット。
※出典 ニューズ出版 ハイパーバイク15より。
尚05モデルの前についてる‘は誤植ですがコイツも忠実に転載します。
で、これがK5のパワーグラフと空燃比。

ここで注目するのは空燃比です。
出典元は5000~6000が薄いと言っていますが実際は、ほぼ13です。
加速空燃比と理論空燃比は違うと以前にも書きましたが、この状態は薄いとは言いません、調度いいです。
じゃあこの状態から燃料を増やすのが正解か?と、なるとこれまでの経験から答えは逆です、ノーです、減量です。

比較対象はK5ではありませんが、これは同様の理論でL2の燃料を増加させたマップです。
このマップでの出力特性は
以前にも書きましたがパワーアップどころか、パワーダウンでした。

赤いライン:濃いマップ 青いライン:薄いマップ
GSX-R1000シリーズの6000~7000rpmの間は調度セカンダリーインジェクターが作動する領域です。
プライマリーインジェクターで足りない部分を補うので実際はこの区間の空燃比は濃くなります。

サイズが違うのは勘弁な!
画像のグラフはK7ですが調度その区間で空燃比が大幅に濃くなってます。
分かる人、分からない人の多くが言う中速の谷はここの事です、ここで燃料が大幅に濃くなるので加速が鈍ったり回転の引っかかりの様に覚えます。
つまりGSX-R1000系のサブコンでの燃料補正は
1:中間域は薄く 2:高回転域でも薄く コレが正解です。
薄めにする量は使ってるサブコンの補正領域にも依りますが、カムシャフトがノーマルならば燃料のプラス補正ピーク値を5500回転に設定し、250回転刻みで段階的に減量、6500回転以降はマイナス補正に入るのがベストじゃないかと思います。
更にこだわるなら、8000回転から10000回転は段階的にプラスの方向に持って行き、今度はそこからマイナスの方向をキープするとデータ上は綺麗なトルクカーブとパワーカーブを描けるでしょう。
また、スズキに限らずホンダもトルクピークからレブリミットは減量の方向に設定されています。
余談ですが現行のZX-10RとS1000RRは10000回転以下は大幅に濃く、逆に10000回転からは大幅にマイナス補正をされます。これは両車の開発コンセプトに余計な中速トルクを排除し、上まで開けやすくする様にしたという一文がある様に(特に10R)わざと反応を鈍くして大きくスロットルを開けて高回転域を使わせる為です。
多分。