余命
もって3ヶ月くらいという人が担当にいる。その人には小学生になったばかりの子供がいる。
調度そのくらいの年齢が子供の一番可愛い盛りだろう。
残された時間が少ない今でも子供の前では気丈にも親として立ち振る舞っているらしい。
最早自力で立ち上がる事も出来ないが、その人の横には子供の布団が敷いてある。
少しの時間でも一緒に過ごしたいのだろう。
元の主治医から手紙が届いた。
もう出来る事は医学的に何もないだろうと。
仮に病状が悪化し、こちらに送られてもしてやれる事は何もないと匙を投げられた。
患者宅に行くと扉の奥から不安そうにこちらを見ている子供がいた。
「すぐ良くなるからちゃんとパパとママの言う事を聞くんだよ」
僕は子供に嘘をついた。
もしも神様がいるのなら、この人に最後のクリスマスを子供と過ごさせてあげてくれませんか。
カテゴリ : 日記