ある日の診療所の会話
「今日、診療中にトイレ行きたくなってさー」”まあそーいう時も確かにありますよね”
「でね、流石に我慢の限界が来てトイレの場所を聞いたわけ」
”漏らしたらオムツの適切な交換が必要ですって居宅療養指示書に書くレベルですもんね”
「で、教えてもらったトイレが個室だったんだけど、気付いたら女子トイレだったんだ」
”施設だからまだ良かったですよね、あれ、この人マイスリーの初回投与10mgでいいんですか?”
「何かあったらオンコールで連絡来るから大丈夫・・・危うく痴漢になる所だったよ」
”下手したら懲戒モンですからねぇ”
「そうそう、この前駅で見たんだけどさ、たまに変な人いるよね、次は~です~!とか叫んでる人」
”いますね”
「でね、なんか女の人が大きな声出してるわけ」
”そーいう系の女性は見たことがありませんね、結構レアですよ、それ”
「いやいや、その声はこの人痴漢です!捕まえて!だったんだけど」
”先生・・・いくら女子トイレに行ったからって・・・”
「いやいやいや!違うって!でね、見たらおじさんが凄い勢いで走ってくるわけ」
”ああ、捕まったらそれこそ人生終了のお知らせですものね”
「そこでね、俺は思ったわけだよ。あのオッサンにも家族と生活があると思うとここで手を出すわけにはいかないな・・・と」
”先生、手が出せないなら足を出せばいいと思います”
診療所は今日も平和でした。

カテゴリ : 日記