ライダー失格
例えガキと言われようが、はたまたヲタクと言われようが好きなモンは好きだからしょうがない。
あたしにとって彼のその姿は、あたかもシャチが赤髭と共に見た鬼神の如き強さの拳王ラオウのように心に強く焼き付いています。
そう…彼の名は「仮面ライダー」
ハイハイ、バイクに乗ってるのもライダーが好きだからですよ。
ガンマだってブラックRXの時の南光太郎が乗ってたからですよ。
次に買うのだって排気量が違うけどブラックの時の南光太郎が乗ってたからですよ。
……今、誰かあたしの事を笑ったか?お前か?ああ?
それくらいライダーが好きなモンですから、人と会う時は極力子供に対して手本になるべき行動をとるようにしてきました。
今日の朝のコトでした。
日頃の疲れのせいか朝は必ず電車の中で爆睡モードなあたしは、降車駅到着10分前に目が覚めた。
うつろなあたしの耳に左前方から若い女性の二人組みの囁き声が聞こえてきた。
「貧血で気持ち悪い…」
「大丈夫?」
まぁ全自動ゴボウ洗い機のような電車の中で突っ立ていれば無理も無い。
本来ならここで、ライダーたるあたしは颯爽と席を譲るべきだったんだ。
にも関わらず、眠いという本能の欲求に忠実なあたしはコトもあろうにシカとを決め込んだ。
するとどうだろう、その”気持ち悪い”と発言していた女性は、電車が丁度駅に到着するや否や倒れてしまったではないか。
本人の言っている事を信用すれば起立性の低血圧だろうから、今この場で出来る有効な応急処置と言えば安静にするコトぐらいだ。
連れの女性は少々パニックに陥っているようだ。
ライダーなら!
ライダーなら間違いなくこういう場合は何かしらの手助けはする筈だ!
なのに!
あたしは今日の朝の急ぎの用事の為に見て見ぬふりをしました。
いや、その二人組みの女性がなかなかどうしてカワイイので、フラグが立って
「この前はどうもありがとうございました、会社に遅れちゃいましたよね…?すみません」
なんてお礼を言われたりして
「いえいえ、そんな事はありません。それよりも無理はしないでくださいね」
と自分の事より他人を気遣う優しい人を演出し、そこから交際が始まって
「抱いて~!」
というようなコトはまったくもってこれっぽっちも全然ちっとも考えていませんでしたけど。
忘れてはいけない大切な物を忘れてしまうようならば、そんな仕事は意味が無い。
あまりにも心が痛んだので担架だけ呼んできました(´・ω・`)
カテゴリ : 日記