心の欠片
辛い時にいつもはげましてくれた職場の先輩が恐らく過労を原因とする心臓発作で亡くなった。
クルマの運転中にそのまま逝ってしまったようだ。
あたしがその事実を知ったのは会社の人間では一番最後らしかった。
M課長が言うには
「お前が事実を知れば間違いなく動揺し事故を起こすだろうから黙っていた」
そうだ。
事実、他の社員がいるにも関わらず、イイ年こいた人間が涙をボロボロ零して泣く始末。
ああ、まだ人間らしい感情が残っていたんだ。
まだ他人の為に泣く事が出来たんだ。
年を取りすぎたのか、どうやらあたしは大分弱い人間になったようだ。
カテゴリ : 日記