言霊
「遠いな~」
朝の都内を社用車で走りながらKさんが呟いた。
"遠いですね~"
ハンドルを握るあたしもKさんと同様の言葉を口にする。
2人の目的地は問題新人のT中さんの自宅付近、今回の研修からウチの会社からの出席人数が、あたしとKさんそしてT中さんを加えた3人になり、これまで使っていた新幹線だとお金がかかるので社用車を使って東京から宮城県まで行く事になった。
当初は会社に集合して、その足で東北に向かう予定だったのだがT中さんの一言で事情が変わった。
「バスが無いから来れないんスけどぉ」
彼が言うには出発する早朝には、会社へ来るのに使っている路線バスが出ていないので、会社に来れないから迎えに着て欲しいそうだ。
結果あたしとKさんは始発電車に、社用車を出発させるとT中さんに今から迎えに行くので、どの辺りにいるかの確認をナビシートにいるKさんに連絡をとってもらう事にした。
携帯電話を片手にT中さんが出るのを待つKさん。
「留守番に繋がった」
しばし後にKさんがあたしに言った。
一応事前に朝早いと伝えておいたから、電話には即出られるような気もするがたまたま席を外しただけかもしれないので、あたしはそのまま彼を迎えに行く事にした。
10数分車を走らせた後、Kさんが最初の爆弾発言をしてくれた。
「ゴメン、地図見間違えてた」
なにぃーッ
どうやらKさんは会社を出た瞬間から右と左を間違えて、結果かなりの遠回りを現在しているそうなのだ。まぁ地図はあたしも上手に見られないので、仕方ないかなぁ~という感じだが、こうなると時間通りにはT中さんを拾えないので事情をKさんに電話で伝えてもらう事にした。
再び電話をかけるKさん。そして電話に出たT中さんは開口一番こういった。
「あぁ?」
~続く~
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カテゴリ : 日記